烏鎮演劇祭2016 ミクニヤナイハラプロジェクト『桜の園』
矢内原美邦演出作品『桜の園』は、今中国で最も注目を集めている現代演劇祭の一つである烏鎮演劇祭の招聘を受け、北京日本文化センター及び烏鎮演劇祭制作委員会の共催により、2016年10月14日~16日、烏鎮・詩田広場にて上演します。本作は、矢内原美邦が「演劇作品」を制作することを目的に立ち上げたミクニヤナイハラプロジェクトの作品で、今回がフェスティバル/トーキョー2014での初演以来、初めての再演となります。
【作品について】
一本の老木をめぐる3つの物語。時代の転換点に浮かび上がる多様な思考。
言語と身体の併走、ぶつかり合いに新たな演劇の芽を見出す実験場、ミクニヤナイハラプロジェクト。ダンスカンパニー、ニブロールの振付家でもあり、2012年『前向き!タイモン』で岸田國士戯曲賞を受賞するなど、精力的に表現の場を開拓する主宰・矢内原美邦が選んだのは、チェーホフの名作『桜の園』だ。
資本主義の台頭に揺れる貴族一家を描いた原作は、ここでは1本の老木をめぐる3つの物語となる。保護か、開発か、それとも・・・。観客は、同時進行する物語を観劇した後、3者の話し合いに立ち会う。誰もが納得する答えはない。さまざまな論点が浮かび上がるなか、時は流れ、時代は動いていく。
【演出家について】
矢内原 美邦
振付家、演出家、劇作家
1997年、各分野で活躍するアーティストを集めたパフォーミング・アーツカンパニー「ニブロール」を結成、代表兼振付家としての活動を始める。日常的な身振りをベースに現代の東京の空気をドライに提示する独自の振付で、オレゴン・ダンスフェスティバル、サンフランシスコ・BUTOフェスティバル、ベルリン・フュージョンフェスティバル、ラオコオン・フェスティバルなど数々の海外のフェスティバルにも招聘され、先端的な劇場として知られるThe Kitchen(ニューヨーク)での単独公演も行うなど、世界的に高い評価を受けている。2005年、吉祥寺シアターのこけら落とし公演を契機に、演劇作品に取り組む「ミクニヤナイハラプロジェクト」を始動、劇作・演出を手がける。2012年『前向き!タイモン』で第56回岸田國士戯曲賞受賞。また、「off-Nibroll」名義で美術作品も制作し、数々の展覧会に参加。プロダクションIG製作アニメーション『ホッタラケの島』では振付を担当するなど、ダンスと演劇、美術などの領域を横断しながら作品制作を行う。日本ダンスフォーラム大賞、横浜市文化芸術奨励賞受賞。近畿大学舞台芸術学科准教授。
【劇団について】
ミクニヤナイハラプロジェクト
2005年に「演劇作品」を製作することを目的に立ち上げたソロプロジェクト。些細にみえる日常を大胆に切り取りスケッチした物語群の中に、ノスタルジーを喚起する往年の日本アニメへのオマージュや自らが作詞する淡い青春ラブソングを織り交ぜ、意識的に「演劇的」でありながらも、様式に束縛されない手法が注目を集める。その圧倒的な情報量と運動量で知られる舞台では、劇画的にデフォルメされた自己中心的なキャラクターたちが、言葉と体をダンスするかのごとく高速回転させ、ドライブ感に溢れた魅力が生まれる。12年『前向き!タイモン』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。
【公演について】
ミクニヤナイハラプロジェクト 『桜の園』
上演時間:2016年10月14日 / 15日 /16日 20:30~
上演会場:詩田広場
上演時間:75分(日本語公演、中国語英語字幕)
キャスト&スタッフ
作・演出:矢内原美邦
出演:笠木 泉、橋本和加子、光瀬指絵、川田 希、川上友里、菊沢将憲、佐々木 至、細谷貴宏
制作:株式会社precog(中村 茜、河村美帆香、兵藤茉衣、水野恵美)
技術コーディネート:鈴木康郎
舞台監督:中原和彦
照明:伊藤 馨
映像:佐藤信介
美術:曽我部昌史
衣装:スズキタカユキ
中国公演主催:国際交流基金北京日本文化センター
映像撮影クルー
監督:佐藤信介
撮影:与那覇政之
撮影助手:大竹正悟、戸羽正憲
特機:平川真司、沼田真隆
制作:丸岡るみ子
協力:オンビジュアル、オフィス ワン・ツー・スリー、エースエージェント、舞プロモーション、劇団はえぎわ、急な坂スタジオ、Angle pictures、神奈川大学曽我部研究室、マチデザイン、長谷川明建築設計事務所、日本大学佐藤慎也研究室、ニブロール
製作:ミクニヤナイハラプロジェクト
初演時共同製作:フェスティバル/トーキョー
詳しくは烏鎮演劇祭ホームページまで。